地域・大学インタラクション型の学習事業
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神戸山手短期大学
キャリア・コミュニケーション学科

〒650-0006
神戸市中央区諏訪山町3-1
TEL:078-371-6184
FAX:078-371-4972


模擬結婚式実施―神戸山手流ウエディングプレゼンテーション

「魅力創出」(アトラクティブブライダル)部門

日 時:

2月16日(月)14:30開場、
15:00開始〜16:30終了

場 所:

神戸ポートピアホテル

参加者:

ブライダルゼミ11名
(及び1年生「特別演習B」履修者36名)

指導
・支援:

土井講師、川ア教授、TA倉橋、他スタッフ6名

参加者:

神戸市関係、他大学・学校関係者、一般・ブライダル企業、メディア関係者、来年度入学予定者、同窓会関係者、一般申込者、保護者、学内教職員など75名


■模擬結婚式

【目的・概要】 
 本学における文部科学省平成19年度採択「現代GP」の取組の一環として、キャリア・コミュニケーション学科のブライダルゼミの学生たちによる『La Mer☆City☆Shan(海☆街☆山)―神戸バレンタインウエディング―』プレゼンテーションを、神戸ポートピアホテル南館16階のレインボーの間にて行いました。
 本企画の目的は、ブライダルを通してホスピタリティと地域参加を学ぶことで、地域再生・活性化に貢献できる人材を育成すると同時に、ブライダル都市を目指す神戸市にふさわしいプログラムとして、学生と地域企業の協同によるモデルケースを提案するものです。また創造性溢れる若い知性に発表の場を設けることによって、社会でご活躍される皆様からご批評・ご意見をいただき、相互に交流しあう開かれた実践の場を創出したいと考え、実施を目指してきたものです。
 学生たちが日頃講義・ゼミで学んだ成果を具体化・具現化し、披露宴のコンセプト、テーブルコーディネート、式のプランなどを、神戸という土地柄、現代の時代背景、カラーコーディネート等学習した内容を駆使し、理論と実践を一体化させた若い視点からのスタイリッシュな表現で地域密着型の実践学習の範となることを目標としました。
 (この会の模様は、神戸新聞、読売新聞に掲載されました→こちらをご参照ください)

 

■プレゼンテーションの内容

【式次第・準備段階】  当日の流れは、以下のように進みました。
 ・理事長挨拶
 ・プレゼンテーション(データ)
 ・プレゼンテーション(実演)
 ・歓談
 ・学長挨拶
 まず、理事長より挨拶をいただきました。理事長からは、謝辞のほかに、かねてから本学がブライダルの学習を進め、平成19年度に現代GPに採択されたことを機に、より力を入れていこうということになったこと、そして本学の目指す方向性についてお話がありました。
 当日は、14時半開場に間に合うように、11時より搬入を開始し、音楽機材、照明機材等を確認しながら、リハーサルを繰り返しました。学内においても何度も練習してきたことですが、プレゼン本番に用いる、実際に結婚式で使用される衣裳や小道具(ナイフ、トーチなど)を確認しなければ、容易に使いこなせるものではありませんでした。
 そして、各テーブルに学生たちが研究し、アイディアをひねったコーディネイトを施していきます。テーブルには、式次第と実演で用いるギフトを配置しました。

【プレゼンテーション(データ編)】 
 まず、学生がこれまでに学習し、会場のコンセプト、コーディネイトのアイディアの素としたものを、パワーポイントを使用しながら、発表していきました。
 タイトルの『La Mer☆City☆Shan(海☆街☆山)―神戸バレンタインウエディング―』は、神戸市が、海と山に囲まれた街であることだけではありません。昨年度本学が実施した「ブライダルアンケート」の神戸に関する印象の質問において、「海、街、山のあるロケーション」「異国情緒あふれるオシャレな街」を神戸の特徴として回答した人が有効回答数の50%にも上りました。そこで、神戸の姉妹都市、姉妹港の言葉を使い、このタイトルを設定しました。サブタイトルは、ちょうど発表の時期がバレンタインにあたることから、このように名づけました。
 神戸の観光客数は、横ばい傾向が続き、伸び悩んでいるという課題を持っています。そこで、ブライダル産業の力で、そしてブライダル都市として観光客数を増やすことは出来ないだろうか、と学生たちは考えました。また、神戸は多くの外国人が定住している都市でもあります。神戸市の統計を見ると、神戸に定住している外国人のうち、いわゆる「結婚適齢期」にあたる人口が最も多いことがわかりました。ですので、神戸にいる在日外国人の方々にも神戸でウエディングを味わっていただきたいという意図と狙いがあります。
 そこで、普段住み慣れ、そしてブライダルのために訪れる神戸を会場レイアウトに生かそうという議論になり、それを実践してみました。会場入り口は、船上からの神戸をイメージし、ウェルカムドリンクを配置しました。兵庫県は、いちじくの生産量が全国第3位です。さらに、おもしろい統計があって、チューハイの消費量がこちらも全国第3位です。低アルコール×兵庫、神戸のフルーツを使った「いちじくサワー」を提案しました。
 中央テーブルは海をイメージしてコーディネイトしました。キャンドルを明石大橋に見立て、高さに差をつけ、アーチを描きました。そこには、親族が座っていただく予定です。テーブルランナーには海をイメージした水色を、クロスには白い雲をイメージした白を配置し、キャンドルの台座は、パールを敷き詰めたものにしました。
 そして、サイドの円卓は神戸の街をイメージしています。このテーブルにはご友人を中心に座っていただきます。カラーはピンクとワインレッド(ボルドー)系の色です。この2色は、若年層(20代前半)が読む雑誌と、平均初婚年齢層(20代後半)が購買層である雑誌の過去5年分の目次から言説を抽出し、分析したところ、若年層にはピンク、平均初婚年齢層には濃い赤を基調とした色の傾向が見られたため、このようにしました。
 そして、海上の左右の端には、山をイメージしたデザートビュッフェを配置しました。披露宴のお食事を終えた後、参加者には席を立っていただき、歓談と交流をしていただくためにデザートビュッフェをサイドに置きました。テーブルも高さの違う同系のものを組み合わせ、山並みをセンスよく配置しました。また、神戸は有名なパティスリーが集まっている地区でもあります。そこに、姉妹港、姉妹都市のお菓子を提供するのもいいでしょう。
 以上が、プレゼンテーションにおけるデータ編です。当日使用したパワーポイントのスライドに関しては、一部著作権の問題のある画像以外は、ここからPDFファイルで閲覧できます。>>こちらをクリック。

プレゼンの様子 会場の様子

【プレゼンテーション(実演編)】 
 ここからは、実演にてプレゼンを行いました。実演の内容は、新郎新婦入場、キャンドルサービス、ケーキデコレーション、ケーキカットです。
 新郎新婦入場とキャンドルサービスは同時に行うことにしました。明石海峡大橋に見立てたキャンドルのアーチに火を1つずつ灯していきます。これには「二人の愛の架け橋」を表現し、中央テーブルの親族に見守られながら、愛をはぐくむという意味がこめられています。
 そして、高砂席の背後に設置されたハートのキャンドルに二人が火を灯してゆきます。新郎も新婦もゼミ生が担当しました。二人が端から火をつけると、その火が徐々にとなりのキャンドルに移り、頂点にまでゆっくり火が上っていくタイプのハートキャンドルです。そして、最後に、中央の核となる一本の大きなろうそくに火を灯してキャンドルサービスは完了です。
 さて、ここからはケーキのデコレーションに移ります。ギフトをいれた小箱を、あらかじめ各テーブルに配置しておきました。これは一人に1つずつあります。この小箱には、新郎新婦からのお礼の品を入れるようにしてあります。今回は、神戸の海の泡をイメージしたウエディング用のシャボン玉を入れました。その箱の中に、各テーブル一人ずつ、ハートの紙を封入しました。その方には前の方に出てきていただき、ウエディングケーキのデコレーションを行ってもらいます。用意されたのはフルーツとメッセージを書き入れるチョコレートのデコペンです。その間、司会者を務めた学生が会場を回り、「あなたならどのようなメッセージを書き入れますか」と尋ねて回りました。ケーキが完成したところで、ケーキカットをしました。
 以上で、実演は終了です。お集まりいただいた皆様には、この後歓談の時間を楽しんでいただきました。

実演の様子 発表した
ブライダルゼミの学生

【考察】 
 本学キャリア・コミュニケーション学科が、ブライダルを切り口として、地域社会、地域の産業、そして大学とのコミュニケーションを考えることを、実践のレベルにおいて展開したのが今回の企画でした。神戸市の関係者、神戸のブライダル企業の関係者、そして神戸の大学関係者など、「産・学・官」が一堂に会し行った企画としては、かなり規模も大きく、準備期間も長くかかったものでした。
 会場に集まっていただいた皆様には、アンケートに評価・感想・気付いた点などを書いていただきました。それらは以下のようにまとめられます

★アンケートの結果
 1.本日の会場のコーディネート(テーブルセッティング・装花など)は、いかいかがでしたか。
 2.演出(音楽、キャンドルサービスなど)は、どのくらい魅力的・啓発的(おもしろい、興味深い)でしたか。
 3.発表内容は、どのくらい魅力的・啓発的(おもしろい、興味深い)でしたしたか。
 4.発表の形式・方法・構成・時間などは、いかがでしたか。
 5.発表の際の学生たちの態度・表現力(話し方、声の大きさなど)は、いかかかがでしたか。
 6.本日の学生たちの応対は、いかがでしたか。
  6−1.所作(立ち居振る舞い、マナーなど)
  6−2.笑顔
  6−3.みだしなみ(服装、髪型など)
  6−4.言葉遣い
 6−5.気遣いや心配り
 以上の項目は、5非常に良い、4良い、3ふつう、2あまり良くない、1悪いの5段階で評価してもらいました。いずれにしても、4点以上の高い評価をいただきました。
 このアンケートを見る限り、やはり普段からブライダル業に従事されている方からは厳しい意見も、建設的なコメントもいただきました。いただいたコメントの中には、次のような意見がありました。
 ・コーディネイトに一つ一つ意味がある点を評価できます。学生の力を結集した姿を見せていただき、新たな発見がありました。
 ・すべての設定にストーリーがあり、若い感性が大変良かったです。その感性を生かし、神戸のブライダル業界を盛り上げていただきたい。
 ・お花の高さが高く、私の席からは高砂席が見づらかったのが残念です。また、少し笑顔が少なかったようにも感じました。
 ・プレゼンの話し方が少し幼稚に感じられた。飾りつけももう少しすっきりしたほうが良かったのではないか。
 このような意見が寄せられました。
 しかし、(ここでは名前は挙げられませんが)本学学生に有志で直接ご指導いただいた方々からは、非常によい評価をいただきました。おそらく、それはこの会を企画するにあたり非常に困難が多かったことを知っているからだろう、と推察されます。その意味で、客観的なデータを示すことの出来るアンケートではありません。
 他方、この企画に参加した学生たちは、確実に多くのことを体験できたと思われます。当初、データの扱いも、分析も出来ず、アイディアも何も浮かばなかった学生たちが、プレゼン本番が近づくにつれ、パワーポイントの作成や会場コーディネイトの準備、必要備品の交渉などを自らこなしていくようになりました。また、数多くの施設を訪問し、そこでなされた接客、ブライダル商品のアイディアについての講義を、生かすいい機会になったと思われます。
 当然、学生主導で行ったものですから、データの扱い(プレゼン)、アイディア、説得力、接客態度などには落ち度や欠点もまだまだあります。ですが、暫定的にこれまでやってきた現代GPのひとまずのまとめとして、一定程度のクオリティをもったプレゼンテーションを提供できたのではないか、と思われます。
 ともあれ、今後の課題があります。本学の取組は、他の専門学校とは違い、ブライダルコーディネーターを養成することが目的ではありません。あくまで授業の切り口、コミュニケーションを学ぶ切り口の一つとしてブライダル産業を学習し、アイディアを提案していくことにあります。こうした実践の試みは、同様科目の設置校、専門学校とは歩みを異にするものです。多くのブライダル企業の方々は、ブライダルのプロを育成する方向に目をもたれがちですが、それが最終目標ではありません。この点をいかに克服するか、という課題があります。そして、この「ブライダル」という切り口をいかに研究課題として扱っていけるか、ということがあります。これは、学生にも、指導する教員側にも共通の課題となって、次年度の活動に取り組むべき点ではないでしょうか。