地域・大学インタラクション型の学習事業
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第3回学外授業「ブラジル移住100周年〜神戸とブラジル」

「魅力調査」(マリンポートツーリズム)部門

日 時:

5月12日(月) 13:15〜14:45

場 所:

波止場町TEN×TEN、神戸港、
旧移住センター

参加者:

「みなとゼミ」受講者5名
および村上和子教授


学外授業

【概略】 
 今回の「みなとゼミ」では、フィールドワークを行いました。その目的は、ブラジル移住100周年を迎えるこの時期に、神戸港とブラジルのつながりを自らの足を使って学ぶというものです。1つのテーマをもとに複数の場所をめぐるフィールドワークは、今回が初めてです。ゼミでは基礎的な学習方法、思考方法を養っていますが、今回の目標はフィールドワーク(自分の足で、自分の目で学ぶという手法)を体験するとこです。

【ブラジル移住100周年】
 神戸はみなと町だからこそ、移民にまつわるエピソードがたくさんあります。日本に帰る故郷をもたないブラジル移民たちにとって、神戸は日本のふるさとになっています。100年前、神戸港から船出し、ブラジル移民第1号となった移民船が着いたとき、移民たちはブラジル人記者に「なんと清潔な人たち。これまでに出会ったどの国からの人たちよりとても清潔。それに多くの人が、字を読めて書く事も出来る。この人たちは、将来ブラジルの力になるだろう」と絶賛したそうです。ブラジル移民100年の歴史の中には、筆舌に尽くしがたい多くの移住者たちの苦難がありましたが、今では150万都市の神戸と匹敵する、140万人の日系ブラジル人が現地で活躍されています。今年は「日本ブラジル交流年」でもあります。彼らが、日本とブラジルの国際交流や経済交流の大きな架け橋、大きな力になっていることは言うまでもありません。学生たちは、移住者が出発まで過ごした施設「旧移住センター」が、本学の東数百メートルのところにあることもあり、神戸の歴史と文化でもあるブラジル移民と、「神戸とブラジル」について学ぶことにしました。

【当日の流れ】 
 最初は「波止場町TEN×TEN」で、日本の海外移住の歴史、ブラジル移民の歴史、日系人の活躍、両国の交流などについて総論を学びました。そして、日本における最後の日々となる、移民センターでの暮らしを紹介する、昭和35年制作の貴重な映像資料をみんなで見て、「希望に輝く表情だった」「今の時代よりおしゃれな服装」「こんな施設が学校のすぐそばにあったなんて知らなかった」「昔の神戸の町並みはレトロで今より素敵に見えた」「船出のシーンがとても感動的だった」など、それぞれの感想を述べあいました。その後は、メリケンパークに立つブラジル移民第一船の船出を記念する「希望の船出の碑」をたずね、第一船となった「笠戸丸」の出航風景をそれぞれが頭に思い描きました。

 その後、ポートアイランドまで移動しました。当時、移民をブラジルまで運んだ船は、帰りにはブラジルの特産品でもあるコーヒー豆を積んで持ち帰っていました。学生たちは、そのことから神戸が日本の中でも独特のコーヒー文化のある街になったことなどを学ぶために、世界でも数少ないコーヒー博物館のひとつである、モスクの形をした「UCCコーヒー博物館」をたずねました。ポートアイランドは、1981年に「世界で初めての海上未来都市」といわれて街開きをした人工の島です。神戸の市街地と島を結ぶ交通機関として、無人で動く「新交通システム、ポートライナー」が走っています。島の周囲を走るポートライナーからは、神戸の美しい景色が望めます。この日のゼミの締めくくりに、ポートライナーからの景観調査を目的に、海や、みなとのある街・神戸の魅力を再発見することにしました。


 参加した学生たちの中には、神戸市民、兵庫県民もいます。しかし、あまり地元のことを知りません。それは、逆に地元だから知らないのかもしれません。メディア上に流通する「神戸」は、震災後復興したオシャレな街です。しかし、そのメディアに写されない多くの現実があります。今回のテーマもその一つと言えるでしょう。ブラジル移住100年。これには暗く辛い側面が多々あります。もちろん、それも実はメディアに作られている側面があります。今回は、そうした暗い面だけではなく、現代にも繋がる接点を見いだしたフィールドワークでした。