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神戸山手短期大学
キャリア・コミュニケーション学科

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FAX:078-371-4972


学外講師による講義(ブライダルマネージメント)第5回〜第8回

「魅力創出」(アトラクティブブライダル)部門

日 時:

2008/05/26〜6/16(計4回)  月曜2限

会 場:

神戸山手短期大学1337教室

参加者:

ブライダルマネージメント履修者33名
および川ア佳代子教授

講 師:

森重喜三雄(シーサイドホテル舞子ビラ神戸社長)

特別講義内容

【概略】 
  前回の田中清寛氏(リーガロイヤルホテル支配人)の特別講義に引き続き、ホテル舞子ビラ神戸の社長である森重喜三雄氏に、第5回〜第8回の講義をしていただくことになりました。講義は、5月26日、6月2日、6月9日、6月16日の4回です。
各回のテーマは以下のようになっています。

第5回

「結婚式の歴史的な変遷と、現在の結婚式事情」

第6回

「結婚式場・披露宴会場・付帯施設のハードとソフト」

第7回

「結婚式・披露宴の現場におけるゲストからのクレームと対処法」

第8回

「今求められるブライダルプランナー像」

第5回(5/26 出席者26名)

【イントロダクション】
 第5回目の講義は「結婚式の歴史的な変遷と、現在の結婚式事情」と題して、ブライダル一般に関する歴史的かつ包括的な知識を紹介されました。まず、普遍的な原理としていえるのは「結婚式のスタイルは時代とともに変化する」ということです。現在の結婚式のスタイルの傾向は、簡略化の方向にあります。帝国ホテル内に神社を設け、神前式を行う、といったことはその一例といえるでしょう。

【結婚式の歴史】
 基本的に、古代貴族社会において結婚式は「嫁入り婚」でした。そして飛鳥・奈良時代へと移ると、媒酌人が登場 (中国の文化が導入された結果)します。そこから結納、吉凶の日(六輝、六曜)といったものが始まります。では、中世はどうだったのでしょうか。平安時代と鎌倉時代を見ておきましょう。
 平安時代、公家式においては婿入り婚でした。貴族の女性は幼少時に婚約したそうです。このときから、三献の儀が始まる(三三九度)といわれています。鎌倉時代の結婚はこれとは違います。武士が力を持つによって、婿入り婚から「嫁取り婚(嫁迎え婚)」へとその位相が変化しました。背景には土地の問題がありました。というのも、男性に土地が譲られるようになったからです。では、織田信長以降の近世はどうだったでしょうか。
 安土・桃山時代に入ると、嫁入りが盛大に行われるようになりました。そのほかにも変わったことは多くあります。まず、吉日を選んで嫁迎えの儀式が行われ、嫁の荷入りが始まります。そして婚礼衣裳の色物から白無垢への変化、お色直しの文化が始まったことは特記事項です。
 ところが、江戸時代になると趣味思考が一転します。身分制度・秩序が重んじられ、質素堅実が中心になります。「女大学」で女性の道が説かれたこともありました。それによって、豪華さがなりを潜めました。「媒酌人」が「仲人」という名に変わり、仲人業ができたのもこの時期です。もちろん、公家の世界は依然として伝統的なものです。では、一般大衆はどうだったのでしょうか。一般大衆は嫁取りでした。小笠原流の礼法に則ったものです。武家も民間も、仲人による「見合い」が定着し、男→女へ結納を仲人が持って行くという伝統ができあがりました。そのあと、男性、女性が着替えて食事をするという習慣はこの時代に始まりました。
 そして、近現代です。明治3年に縁組制限ができました。それによって婚姻年齢が定まったのです。男子17歳以上、女子15歳以上が結婚可能です。この当時の結婚平均年齢は男子22歳、女子20歳です。名字に関しては、妻は実家の姓を名乗りました。男性側の家を相続したとき、男性側の姓にしたのです。明治期には、一つ大きな変化があります。明治30年に日比谷大神宮で初めて神前結婚式が開かれました。神前結婚式は、最初は貴族の間で広がり、やがて民間へ一般化されていきます。
 大正時代には、結婚に先立つ「自由恋愛」が登場します。この頃、式は簡略化され、自宅婚から神前結婚に移行しました。また、現在ではおなじみの新婚旅行が一般化するのは大正です。大正12年9月に関東大震災が起こり、日比谷大神宮は壊れたのですが、帝国ホテル内に多賀神社を置いたことで、神前結婚式は流行しました。外資系の東京ヒルトンホテルもホテル内に神社を設けたほどです。
 昭和〜平成20年5月30日現在は、めまぐるしく状況が変わっていく時代です。昭和6年に目黒雅叙園という総合結婚式場が登場します。そして、昭和8年に全国初の結婚相談所が設立します(しかも、公営の東京結婚相談所。最初の相談者 男子550人、女子812人。うち45組が成婚)。戦後の復興期の昭和22年には、総合結婚式場のモデルとなる「明治記念館」が出来ます。昭和23年には、横須賀に冠婚葬祭互助会が設立され、積み立て制度が設置されました。
 そして人前結婚式ブームが到来します。戦後の民主化運動の影響もあってか、宗教色が薄れ、公民館や、直営結婚式場(互助会が直営)の利用が増えました。昭和30年には玉姫殿、平安閣など、現在でも有名な結婚式会場が作られました。
 空前の豪華披露宴があったのもこの頃です。昭和35年12月に石原裕次郎氏の結婚式が東京日比谷の日活国際ホテルにて行われました。これは人々にホテル披露宴への憧れをかき立たせました。そして、東京オリンピック。昭和38年のホテルの建築ラッシュがあり、再び神前結婚式が人気となりました。スターの結婚式も豪華さを競う要因の一つでした。海外への新婚旅行も出始めました。

【西洋のドレスのトリビア】
 世界的に、結婚と飲食は切り離すことは出来ず、古代人は繰り返し一緒に食事することが血族関係を強化すると考えました。そして、驚くべきことに昔のウエディングドレスは白くなかったようです。1840年にイギリスのヴィクトリア女王が初めて白を着ました。それまでは重厚で豪華な縫い取りのガウンでした。このヴィクトリア女王の行為を上流階級の女性が真似しました。それがだんだん中産階級にも浸透し、19世紀末には 白のウエディングドレスにベールが一般的になったのです。

【結婚式の色々】
 ・「お色直し」について
 日本独特の習慣で、白のイメージは「婚家の色に染まります」という花嫁の決意を表現しています。お色直しは、高度成長の時代に進化していきました。色打ち掛けが一般的で、上流社会のみ打ち掛け、色振り袖が一般的だったそうです。昭和50〜60年代はお色直しが最高潮に達した時期で、回数をこぞって競ったそうです。かけ直し、早変わりと呼ばれ、新婦が披露宴会場にいる時間が少ないことで問題になりました。それへの改善策として、現在でも主流の「前撮り」写真が登場しました。現在では、最小限度のお色直しがスマートとされる流れに移行しています。

・花婿介添人(ベストマン)と花嫁介添人(ブライズメード)について
 略奪結婚の名残です。

・フラワーガール
 2人の少女が同じ服を着て新郎新婦の前を、花をまきながら歩く

・ページ(小姓)
 新婦の裾をもつ役

・結婚指輪について
 エジプト人が始めました。円は永遠の象徴を意味します。ローマ人は鉄の指輪でした。キリスト教は、シェイクスピアの時代には指輪に文字を彫ったそうです。イギリスメアリー女王はシンプルなものを選びました。そのためか、ヨーロッパ中にはやることとなります。左手薬指にはめるのは11世紀頃からの風習だそうです。

・花嫁のベール
 ベールの二つの意味:自由の象徴、顔を隠す

・飾り花(ブーケ)
 結び目は信頼の象徴であり、オレンジの花は花嫁の幸福をあらわす。

・ブーケトス
 昔はガータートスでした。14世紀頃ガーターを奪い合うため、ブーケになりました。

・ウエディングケーキ
 古代ギリシャでは、ジュピターに供えた後、証人の前で食べました(ゴマケーキ)。ケーキの発祥は、パンを山のように積んだのがはじまりです。フランスのウエディングケーキはクロカンブッシュです。ケーキ入刀は花嫁以外が切ると幸福が切り分けられるという迷信があります。

・ライスシャワー
 米をまく起源:古代ギリシャでは小麦粉や砂糖菓子を蒔きました。それは繁栄を表していました。米を蒔くことは、悪魔退散、花婿の魂を定着させる意味があります。

・サムシングフォー
 something old; something new ; something borrowed; something blueを総じてサムシングフォーといいます。青は純潔・愛を表しています。

第6回(6/2 出席者25名)

【Q&A】 
 第6回講義のテーマは「結婚式場・披露宴会場・付帯施設のハードとソフト」です。講義の冒頭では、学生たちからの質問への応答を行いました。
 Q:他の国でも、日本のように様々な形式で結婚式をしているのですか?
 A:日本はちょっとずつ要素をパクっているが、その他の国はやはり伝統的に行っています。中国では、近年邸宅ウエディングも流行っています。
 Q:Something Fourは実際にはどんなものがあるのですか?
 A:something old; 先祖のものが多いです。
   something new ; これは数多くありますね。
   something borrowed; 友人、隣人からか借りることが多いです。
   something blue;清純をイメージします方、リボンなどに青を使ったりします。
 Q:人気のあるブーケはどんなものですか?
 A:ポピュラーなものはラウンド。最近は、そのほかにナチュラルに縛ったものなどがあります。
 Q:ジューンブライドの予約は取りづらいものですか?
 A:6月は梅雨で雨が降るので、ジューンブライドと言うけれども、やはり婚礼件数は少ないです。

【ハードの重要性】
 『ゼクシィ』の資料によると、最近では結婚式を挙げる件数が、年々減っています。他方、神戸にはゲストハウスウエディングの流れはどんどん強いものとなっています。さらには、ホテルも大手経営会社のホテルが臨海部に続々と建設されています。その他の婚礼施設もまた多い土地柄です。以上の説明で予想がつくかもしれませんが、本日のテーマは婚礼に関する「施設(ハード)」の重要性です。
 しかし、ただ単に施設がたくさんあっても意味がありません。時間帯の管理、効率よくスケジュールを組むこと、それによって収益を伸ばすこと、婚礼の総件数を伸ばすことが、大きな課題となってきます。
 一時期、ホテルウエディングが下火になったときがあります。そのときに、ホテル業界はこぞってチャペルをリニューアルしました。90年代です。神前式とチャペル式が半々だった時代はそれまでの施設で問題なかったのですが、現在はチャペル式が優勢なので、施設を増やさなければ効率よく婚礼件数を伸ばすことが出来ません。なので、人前式用に仮設など、さまざまな方法やコーディネートのアイディアで対処する必要もあります。神前式が減った理由は、友人が式に参加することが出来ないからです。でも、最近は神主さまの配慮によって、そうしたルールは緩和してきています。
 チャペルを増設、リニューアルしただけではまだ十全ではありません。森重氏の勤務するホテル舞子ビラでは、数年前にブライズルーム(bride’s room)を設置しました。ブライズルームとは、新婦の控え室のことです。従来は、親族控え室と同じ部屋で、あまり顔を合わせたことのない親族と一緒にいなければならなかったし、気を使ってお茶も飲めないし、友人も親族のいる部屋には、新婦に会いに行きづらかったようです。ですが、ブライズルームを創ることで、ハードを改良し、コーディネートの変更によって雰囲気を変え、それが新婦の欲求に添えば、新たなビジネスチャンスとなります。事実、最近では、ブライズルームを先に選ぶお客様も多いそうです。

【SWOT ANALYSIS】 
 ハードを考えるとき、またビジネスチャンスを考察するときに有効なのは、“SWOT ANALYSIS”と呼ばれる手法です。SWOTとは、Strength(強み)、 Weakness(弱み)、 Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字をとったものです。これをそれぞれ、四象限に区切った表の中に、思いつく限り書きます。それによって、現在その分析対象がどういう状態にあって、どういう変化を促せば前進していくのかを考えることが出来る有効な方法です。

Power Pointを用いて説明する森重氏 講義の様子

第7回(6/9 出席者23名)

【Q&A】
 今回のテーマは、「結婚式・披露宴の現場におけるゲストからのクレームと対処法」ですが、今回も前回と同様に、質疑への応答から始まります。
 Q:邸宅ウエディングとホテルウエディングの大きな違いは何ですか?
 A:ホテルは邸宅と違い、「ホテル」ですので、結婚式以外のことをやるということです。また、ホテルでは建築コストの面で差が出ます。邸宅は5〜10年のサイクルで建物の利用を考えていますが、ホテルの場合は、20〜30年を1サイクルとしています。
 Q:森重さんのウエディングの発想はどこから生まれるのですか?
 A:一つは、当然、ゲストニーズです。その他の感性の部分に関しては、色々見て回ることです。その中でも、一番重要なのは、遊び心。遊びを知っていることは大事なことです。
 Q:人気のコーディネート色は?
 A:式場やコンセプトによって異なります。モダンなのか、エレガントなのか、それによってやり方は大きく異なります。
 Q:式をするときに、テーブルクロスなどは希望通りになるのでしょうか?
 A:もちろん出来ます。ある程度選んでいただいて、残りはプランナーの腕次第なところももちろんあります。
 Q:ブライダルに興味を持ったきっかけは何ですか?そして、ブライダル業界は下火なんですか?
 A:ホテルを運営していく上では、売り上げ的においしいマーケティングが出来る、というのはブライダルの面白みです。例えば、ウエディングの評判が、宿泊など他の商品のイメージを引っ張ってくれる。それらを総合的に行うことが大事です。

【コンプレインの内容】
 前回に伝えた“SWOT ANALYSIS”という分析手法の補足ですが、このポイントはまず書くことです。そこから改善方法を構築し、実践に移すことです。これはビジネス用の分析手段ですが、個人にも当てはまります。
 さて、今回のテーマは「コンプレイン(不平不満、クレーム)」です。コンプレインの内容には次のようなものがあります。
 1.名前(招待状、メニュー、もぎり、のし等の名前間違え、遺漏)
 2.引き出物(種類違い、破損)
 3.祝電(披露忘れ、渡し忘れ)
 4.ぶっかけ(サービスのときこぼしたりすること)
 5.宴会サービスの対応
 6.スタッフの対応(ホテルスタッフ、テナントスタッフ)
 7.衣装(サイズ、種類など)
 8.写真(写真映り)
 9.装花(打ち合わせ時との差異)
 10. 美容・着付け(メイクリハーサルとの差異)
 11.音響(曲間違い、タイミング)
 森重氏も過去に様々な経験をしたそうです。披露宴にて「ぶっかけ」が発生し、着物を汚してしまった。その時、着物をクリーニングしたが、金糸の刺繍がしわになったというコンプレインが起こり、数十万円かけて刺繍をやり直した等、大きな話に発展したこともあったそうです。
 このようなことが起こらないようにするためには、どうしたらよいのでしょうか。

【コンプレインを防ぐ】
 森重氏が、過去の経験から提案可能な「コンプレインの予防法」は次のようなものがあります。
 ○チェック体制の充実:いろんな人が見る;ゲストの前でチェック;最終確認書を渡す
 ○思い込みをなくす
 ○過剰な期待感を与えない(代案を示す)
 ○事前に情報を与える(当日の周辺交通事情など)
 ○ゲストの情報を共有する(ホテルと一緒に仕事をする企業につたえる)
 ○些細なことでも情報伝達する
 と、いくつも挙げられますが、肝心なのは、プランナーは打合せ段階でゲストと仲良くなり信頼関係を築くこと、そして〈こなし仕事〉をしない(一件一件心をこめてする)、ということです。
 ですが、それでもコンプレインは時として起こってしまう。森重氏も、支配人時代には常に全会場合計して10個くらいのコンプレインを抱えていたそうです。では、もしコンプレインが起こってしまったらどのように対処すべきなのでしょうか。

【コンプレインへの対処】
 実は、基本的なことの中に隠されています。
 ○コンプレインの内容をよく聞く
 ○まず謝る
 ○いいわけを最初にしない
 ○都合の悪いことを隠さない
 ○他人の責任にしない
 ○前もって結末を想定しない(シミュレーションしない。白紙で対応する)
 ○解決策をゲストと話し合う
 ○早い反応
 ○解決を急がない
 すべては責任の所在を明確にさせていないことが原因です。ですので、進んで求められた説明責任を果たし、十分な回答を出すことが求められます。上の項目はそのための条件となっている、といえるでしょう。

第8回(6/16 出席者23名)

【Q&A】
 第8回のテーマは「今求められるブライダルプランナー像」です。その前に、恒例の質問への回答が出されました。
 Q:コンプレインをなくす一番の意義はどの辺りにあるのでしょうか?
 A:ピンチのときはチャンスでもあります。ウエディングは1回限りだが、うまく対処すれば、他のホテル業務へと繋がるし、懇意に思ってもらえます。また、口コミで悪いうわさが広がることは良くないことです。それを防ぐために、慎重に対処しなければなりません。
 Q:一番お金のかかったコンプレインは何ですか?
 A:前回も申し上げたと思いますが、留袖に「ぶっかけ」したときに30万円くらいかかりました。ですが、ホテル業務内では、火災や食中毒が起こらないかぎり、これ以上大きな額にはそうそうなりません。
 Q:いわゆるクレーマーと呼ばれる存在はいますか?
 A:どのこの世界にもいます。ただ、そういう方の特徴というか傾向は、繊細で細かいところまで気になる人が多いです。
 Q:感動した結婚式はありますか?
 A:ほとんど毎回泣いています(笑)
 Q:どうしたら冷静にコンプレインに対処できますか?
 A:難しい質問ですが、一つは失敗することも大事です。上司、先輩の謝り方から学ぶものも多かったです。
 Q:ジューンブライドは高いのですか?
 A:高くないです。雨が多く、婚礼件数が少ないのは、6月です。7月、8月、1月、2月は安いです。もちろんその他には、仏滅などはもちろん安いです。

【ブライダルプランナーの5つの役割】 
 ブライダルプランナーは、まず「どうしたらゲストが喜ぶか」を念頭に置かなければなりません。ですが、それだけではまったく十分とはいえません。まず、自分の状況を把握する必要があります。例えば、ホテル、邸宅、レストランなど、競合する会場が増えているけれども、ウチは大丈夫か?ウチでなければ提供できないサービスをしているかどうか?これら自分たちの商品を冷静に見つめ、他方向にアンテナを張り巡らせ、感性の高い本物の価値を売ることがブライダルプランナーの仕事です。
 そのために、森重氏から、今考えられる次の5点を提示してくださいました。
 ◇ hospitality (接遇)
   ホスピタリティは相手を思いやる心。
   非日常的なサービスをするとか、特別なことをすることではない。
   ホスピタリティにはコミュニケーションが重要
   ゲストとのコミュニケーションからゲストのニーズとウォンツを発見できる。
 ◇ produce(演出)
 ◇ operation(手配) 手続きや発注などの事務的な作業も含めて
 ◇ communication(伝達) 対 客、取引先、社内、スタッフ
 ◇ business(商売) ビジネスセンスも必要

【ブライダルプランナーに必要な資質】 
 そのために、必要な資質もあります。以下のものです。
 ◇ Action orientated(行動力)
 ◇ Adaptability(適応力)
 ◇ Communication(コミュニケーション力)
 ◇ Customer focus (カスターマーフォーカス、お客様目線)
 ◇ Integrity(誠実さ)
 ◇ Interpersonal skill and team work(対人関係/チームワーク)
 ◇ Time and Task management(時間管理と業務管理)

 これらの点を引き伸ばすためには、次のことをしておくとよいといいます。
 ● Have the end in mind.(最終目標を定める)
 a) Know what you want.(自分の望みをちゃんと考えよう)
 b) Mission statement (目的の設定)
 c) Goals and objectives (目標と目的)
 d) If you don’t have a dream, you can’t make a dream come true.
   夢がなければ夢を実現することができない

 ● DREAM, VISIONS, GOALS
 a) 自分が持っていないものを人にあげられない。 → たくさん学ぶ、たくさん経験する
   Dream. Be curious. Have a passion.
 b) ミスすることは学ぶために必要なチャンス
 c) 成功する「レシピ」には「失敗」は不可欠 Mistakes are necessary.
 d) 何をしたいのかわからなければ、手に入れることができない→視野を広げる
   Change is inevitable. Make the right choices.
 e) 行ったことのない所は説明できない
 f) 「幸運」は準備をしっかりしなければ得られない
 g) 先ずリーダー、次にリーダーの夢を信頼する
   Achieve your goals.

 さらに、それらを含め、次のことが続きます。まず、目的を持って業務に臨むこと。これは、業務一般のマンネリ化を防ぎ、一日ごとにリフレッシュさせる意味を持っています。そして、サービス業務としての方向性を常に確認すること。「お客様の満足」を最優先すること、いわゆるCustomers satisfactionの実践です。最後に、チームの一体化意識をもつこと。チームワーク、信頼関係、チームとしての成功・目的達成を共有することが、ブライダルプランナーには必須条件です。多くの人と関わるため、必然的に高いコミュニケーション力を求められます。

講義の様子 最後に花束を贈呈しました

【ブライダルプランナーに求められる5つのスキル】
 さらには、具体的に求められる技術も教えてくださいました。
 @情熱を持って取り組める
 Aソフトとハードをデザインできる――アートディレクターとして空間を演出できる
 B数字をつくることができる――ビジネス
 Cコミュニケーション能力がある
 DITを活用できる
 これらは、非常に現代的な要素です。A以外は他の職種でも当然必要とされる能力です。

【総括】
 最後に前回までの講義とあわせて、全4回の講義の総括として、これまでに述べた重要なポイントを箇条書きにして、再度提示されました。
  1.ヴィジョンをもつこと。行動・業務の基本方針としてのヴィジョン。企業と自分のヴィジョンをリンクさせる。
  2.目的をもつこと。人間は目標がなければ行動ができない動物
   毎日、一週間、一ヶ月、一年などの単位で自分の仕事に関する目標を設定する。その目標を必ず成功させる意識をもつことが大事。
  3.笑顔:人間社会でのコミュニケーションにおいて一番大事
   一番いい笑顔を自分で見つける
  4.清潔感: 美しく、清潔に整頓された環境 → 人に安らぎとくつろぎを与える。
   「古さ」と「汚さ」は別
  5.存在感:お客にさまに快適さ、楽しさなどを感じてもらう。その瞬間がプランナーの存在感
  6.自己管理:心身の健康、プロとしての使命感をもつ
  7.挨拶:コミュニケーションの基本
  8.言葉遣い:「言葉の乱れ」は「心の乱れ」
   敬語:相手を敬う気持ちを伝えられる言葉遣いが大事
  9.気配り:一歩踏み込んだ気配り (こなし仕事はダメ)
 10.スタッフ意識:内外にかかわらずスタッフの意識を持つ。(客の悪口を言ってはいけない)
 11.情報:施設、商品の情報は常に把握。曖昧な受け答えをしないよう努める。
 12.チームワーク:和を重んじてチームを意識した仕事を心がける
 13.ブライダルを仕事とする覚悟
   自分の意思で従事―覚悟をもって客のケアをする。
 14.障害になるもとをなくす
  @ミス(単純な失敗) Aやり直し(不注意) B損壊(扱いによるミス) C非効率(効率の悪い仕事の仕方) Dサービスや仕事のばらつき(統一感のない仕事ぶり)
 15.クレーム
 16.原価意識
 17.資産管理


 今回で前期の「ブライダルマネージメント」の特別講義はほとんど終わったことになります。第1回〜第4回を担当してくださった田中清寛氏(リーガロイヤルホテル支配人)が、ブライダルコーディネーター、ブライダルプランナーと呼ばれる仕事の概論と心構えを中心としていたのならば、森重氏はそのビジネスとしての重要性、ホテル業務おけるブライダルの位置づけなどを、豊富な資料、分析、経験から披露してくださいました。
 毎回大量の資料をパワーポイントのファイル資料を準備してくださる森重氏に、学生たちは圧倒される一方で、豊富な知識に裏打ちされた話に感心していました。その証拠に、回を重ねるたびに、学生たちの質問数が増えていきました。
 しかし、他方では森重氏はブライダルプランナーという仕事を「夢」や「感動」という枠に閉じ込めることはしませんでした。厳しく冷静に、現状を分析し、ビジネス上勝算のあることに重点を置きます。それは、森重氏が田中氏とは違い、経営者だからでしょう。ビジネス的な視点、感情的な視点が相互に折り合う刺激的な講義でした。