地域・大学インタラクション型の学習事業
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神戸山手短期大学
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「みなとゼミ」による神戸の魅力のフィールド調査
マリンポートツーリズム平成20年度第6回学外授業

「魅力調査」(マリンポートツーリズム)部門

日 時:

10月7日(月)13:30〜17:00

場 所:

「関帝廟」「ムスリムモスク」「生田神社」

参加者:

「みなとゼミ」受講生5名および村上和子教授

テーマ:

ミナト神戸の魅力の一つである「国際性」(多国籍クロスオーバーの文化)の源流をさぐる


学外授業

【概略】 
 ミナト神戸の大きな魅力のひとつとなっている「国際性」「多国籍クロスオーバーの文化」の源流を探るため、三つの民族の精神文化を支えている拠点の調査をしました。訪問調査したのは、「関帝廟」、「回教寺院」、「生田神社」の3カ所です。以下は学生のフィールドノートをまとめたものです。

【調査内容】 

<関帝廟>
 神戸華僑の人々の篤い信仰を集めている寺院が、関帝廟です。 静かな住宅街の中にあり、朱塗りの柱と黄色い屋根瓦の山門が人目を引きます。本堂の上には2頭の青い龍が向かい合い、いかにも中国風の様相を醸し出しています。本堂の内部には関帝像と天后聖母像・観世音像が祀られています。ちなみに関帝とは、「三国志演義」で蜀の劉備を助けて活躍する関羽のことで、庶民にたいへん人気のあった中国の勇将です。信義を重んじ約束を守る武将であったため、商売の神として信奉され、中国国内の都市のみならず世界中にある華僑の居住区に関帝廟が建てられているそうです。
 普段は無人なのですが、この日は参拝にこられていた門さんと言う華僑の方に、とても親切に廟内を案内していただくことができ、登竜門や本堂内部について貴重なお話を伺うことができました。登竜門は、黄河龍門の鯉が龍になる故事にならい台湾ヒノキの木を一刀彫で彫刻したもので、台湾で作られ、船でここまで運ばれたそうです。登龍門を通ると男性は出世が出来、女性は良縁にめぐりあい良い家庭を築くことが出来ると言われているとのことでした。
 本堂内部では、歴史的な説明を聞いたあと、中国のおみくじを体験させてもらいました。大きい座布団が置かれた低い台の上に両膝を乗せて座り、身体を折り曲げるように深くお辞儀をし、お祈りをした後に、願いをこめて赤い二つの木片を投げるのです。表か裏で揃えば、おみくじの番号を引くことができます。自分の番号が決まれば、おみくじ札を入れたタンスの引き出しから、おみくじ札を自分で取り出すというものです。実際に本堂の中で真剣にやってみると、中国の人々の宗教的想いや中国文化の一端を体験できたようで面白かったです。
 また、日本と違い、中国の考え方では、人は死んでから天国に行くと現世と同じ暮らしをすることになるので、食べ物や衣服を買うお金が必要なのだそうです。そのため、天国にお金を届けるために紙銭を燃やす「金亭」というものがあるということで、それも見せていただきました。
 中国の文化を直に感じることができる関帝廟は、南京町とともにぜひとも訪れて欲しい国際都市神戸のおすすめ観光スポットのひとつだと感じました。

生田神社 関帝廟

<神戸ムスリムモスク>
 神戸異人館街に程近い神戸ムスリムモスクは、日本最古のイスラム教モスクです。昭和10(1935)年の10月に公式に礼拝所として開館し、太平洋戦争や阪神大震災の被害からもまぬがれ、今もほぼ建築当時のままに建っているのだそうです。北野周辺には異人館街やバプテスト教会、ユダヤ教会などがありますが、ドームと尖塔をもつ伝統的トルコ様式のモスクの独特な建物は、その中でも特に目を引き、神戸の国際性、異文化共生を強く感じさせてくれます。
 モスクの中に入ると、エジプト人のイマムさんという方が、伝統衣裳を着て出迎えてくださり、館内の案内と説明をしてくださいました。イスラム教では一日に5回、聖地メッカの方角に向かってお祈りをしなくてはいけないそうですが、そのお祈りの時間は日によって、また地域によって違うとのことでした。このモスクでは、1階で男性、2階で女性がそれぞれ別々にお祈りをしていますが、女性は白い布を頭からかぶり、白い布のスカートをはくそうです。また、金曜日にはたくさんの人々が集まってお祈りをするそうです。普段は10分から15分くらいのお祈りが、金曜日は1時間近く行われるとのことでした。
 私たちが帰ろうとしたとき、1人の男性がお祈りをしに教会に入って来られましたが、とても深々と何度も敬虔なお祈りをされていたのが、たいへん印象的でした。

<生田神社>
 異国情緒あふれる町並みを南に下りていくと、だんだんホテルやレストランなどが建ち並ぶ賑やかな駅前の繁華街に近づきます。その途中に位置する生田神社は、日本の由緒ある神社です。『日本書記』に神宮皇后が神占いによって稚日女尊(わかひるめのみこと)を祀ったとあり、それが生田神社の由来とされているそうです。もともとは新神戸の北の砂子山(いさごやま)にあったそうですが、洪水があり、現在の地に移されたということです。
 生田神社は、長い間、神戸の街の守り神、縁結びの神様として神戸の人たちから愛されてきましたが、近年の芸能人カップルの結婚式で全国的に有名になりました。神社では、この日も平日の昼間にもかかわらず、つい先ほどまで結婚式がとりおこなわれていたそうです。また七五三が近いこともあって多くの人出で賑わっていました。
 ここでは、神官の小島さんと六車さんのお二人から色々なお話を聞くことができました。神戸という市名は、生田神社の荘園=神戸(かんべ)が由来だそうです。また、神社の境内には『枕草子』にも記された「生田の森」という見事な森があります。都会にあると思えないその森の中には、樹齢がなんと1200年とも言われている木があり、近くで見るとすごい迫力を感じました。ですが、神社の境内には松の木は1本もなく、ほとんどが楠だそうです。それは昔、砂子山の洪水の際、松の木が倒れて神社が倒壊したという故事によるもので、お正月の門松さえも忌みスギを使った門杉を用いているそうです。また境内には「箙の梅」、「敦盛の萩」「弁慶の竹」などの源平合戦にまつわる史蹟も数多く残っていました。
 縁結びの神様としか思っていなかった生田神社が、実は古代からの様々な歴史の足跡を残すたいへん由緒ある神社と分かり、歴史的に重要な観光スポットとしてあらためて見直したいと思いました。

【考察】 

 今回の神戸の「国際性」の源流、ランドマークとも言える民族の精神文化拠点の調査は、実際に現場に行き、実際に現場の人と直接話をして、多くの貴重な知識や情報を得ることができました。たいへん有意義なフィールドワークとなったと思います。