地域・大学インタラクション型の学習事業
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神戸山手短期大学
キャリア・コミュニケーション学科

〒650-0006
神戸市中央区諏訪山町3-1
TEL:078-371-6184
FAX:078-371-4972


現代GPファイナルシンポジウム
「和と洋のクロスオーバー 神戸流ウエディングのチャレンジ」

「魅力創出」(アトラクティブブライダル)部門
「魅力調査」(マリンポートツーリズム)部門

日 時:

平成22年3月7日(日)13:00〜15:00(受付開始12:30)

場 所:

神戸ポートピアホテル B1 偕楽の間

主 催:

神戸山手短期大学 キャリア・コミュニケーション学科

参加者:

102名(企業、官公庁、大学関係者、教職員、学生、一般など)

後 援:

神戸ウエディング会議、 友松会(神戸山手学園同窓会)

特別協力:

ウエディングサロン イノウエ、弥生美容院

現代GPファイナルシンポジウム
【概要】
 この3月をもってこの補助金事業は終了となります。「いきいきみなと神戸」を大きなテーマとした本取組は、2つの部門による活動から成り立っています。1つは「魅力調査」(マリンポートツーリズム)で、神戸市中央区の地域を研究し、観光スポット調査を「みなとゼミ」が中心となって行いました。2つめは「魅力創出」(アトラクティブブライダル)で、ウエディング都市神戸のイメージをアピールするさまざまなウエディングプランの提案をしてきました。これまで現代GPの活動では、古今東西の結婚様式に関するフォーラム、披露宴のプレゼンテーション、日韓における結婚意識調査の報告シンポジウム、ブライダルシャワー商品の提案など数多くの取組を行ってきました。また、神戸の魅力を発信する「神戸の魅力無限大∞」リーフレットやブライダルマップを制作しました。
 このたびは、現代GPの事業を締めくくるに当たり、こうした活動を大きく括るコンセプトは「和と洋のクロスオーバー」であると考え、神戸をウエディングで活気付けようと日々活動している「神戸ウエディング会議」の協力により、ファッションショー(第1部)とパネルディスカッション(第2部)を含むシンポジウムを開催しました。チャペルに合う和装、和婚に合うドレス、幅広く和と洋のエッセンスを取り入れたドレスなど、新たな組み合わせを提案することが目的です。また、パネルディスカッションは、地域を「和と洋のクロスオーバー」という観点から再考するものです。
 以上これまで行ってきた試みが、産官学協働で地域活性を考えるよい機会になることを望み、ファイナルシンポジウムを開催しました。

第1部 ブライダルファッションショー
【第1部概要】
司会 谷口享子(神戸ウエディング会議事務局、オフィスマーメイド主宰)
衣裳提供 ウエディングサロン イノウエ(神戸元町)
ヘアメイク 弥生美容院(神戸元町)
ヘアショー 弥生美容院中馬由美子氏(併設校出身者)
 
 第1部では、神戸市中央区の衣裳店ウエディングサロン イノウエと同じく中央区に本店を構える弥生美容院に協力を頂き、学生がモデル、エスコートは教員が務め、「和と洋のクロスオーバー」をテーマに、ブライダルファッションショーを行いました。本学現代GPのキーワードである「ブライダル」×「地域活性」×「実践」を融合したプログラムとして、このファッションショーを設定しました。また、ウエディングサロン イノウエならびに弥生美容院の経営者は、本学のOGでもあります。このGPには、学園同窓会が活動当初から関わってきてくださいました。

【ドレス解説】
 「和と洋のクロスオーバー」がテーマですから、一風変わったドレスが登場しました。和素材のドレス、ドレスに和のアクセサリーや小物を持ったコーディネイトを施しています。
@真っ白なウエディングドレスに、斬新な和柄の帯。
 真っ白なドレスに、帯をあしらってみました。純和風の柄ですが、実はデザイナーはイタリア人。外国人から見た日本の帯です。サムシング・フォーの中にはsomething oldがあります。something oldに帯を使用するのもおもしろいでしょう。
 
A黒振り袖に黄色地小花あしらいオーガンジー打ち掛け
 伝統的な黒振り袖にウエディングドレスのケープを思わせるオーガンジーの打ち掛けを合わせてみました。トレーンの部分も軽く、初々しい若さを演出することができます。ヘッドドレスには思い切って羽つきカチューシャをあしらってみました。重い和装の印象がいっそう軽やかに見えます。

@のドレス Aのドレス

B金襴緞子のドレス
 白いウエディングドレスはイギリスのヴィクトリア女王が1840年にアルバート公と結婚するときに着たのが最初ということです。たかだか170年ほどの歴史です。それまでは豪華な縫い取りのあるウェディングガウンを貴族の花嫁は着ていました。
 それに匹敵するのが金襴緞子の衣装でしょう。「古きは新しい」というセンスで金襴緞子でドレスを仕立てると、日本ならではのウェディングガウンになります。ヘッドドレスはいろいろなバリエーションが楽しめます。
 
Cピンク無地着物とレース打掛
 顔色を引き立たせるピンクの無地着物に、ウエディングドレスを思わせる白のレースの打ち掛けを合わせてみました。西洋ではレースは女性の憧れでした。月下美人があしらわれた打ち掛けは軽やかでファンタジックです。レースの豪華さを強調するため、着物や帯も無地で統一。ヘッドドレスは軽めの小さいチュールレースのトーク帽にしてみました。

Bのドレス Cのドレス

D白の鶴地模様ドレス
 着物の生地をウエディングドレスに仕立てたドレスです。日本では鶴と亀はおめでたさの象徴。特に鶴は誰もが持つ清楚なイメージのひとつです。純白の地色に飛び交う鶴が上品で着物地という素材が、すっきりとしたストレートなフォルムを美しく引き立てます。フロントスタイルはシンプルに、バックスタイルはトレーンをひいてスタイリッシュな雰囲気を持ち合わせた一着です。
 
Eベージュ地バラ柄ドレス
 柄物をウエディングドレスに、という勇気がなくても、スカートに一枚薄地を重ねることで思い切ってチャレンジできるのではないでしょうか。一見、和のテイストが入っていないようにも見えますが、衣裳店によればこのバラ模様は本来和風だそうです。スカートの部分の薄い布が華麗でラグジュアリーなバラを上品に仕上げています。

Dのドレス Eのドレス

F白のミニドレスと舞扇
 妖精を思わせるウエディングドレスです。
 サムシング・フォーのうち誰かから借りたもの(something borrow)を身につけることは西洋の伝統です。日本の伝統的な舞扇を借りてみてはいかがでしょうか。和のテイストも加わり、ひと味違った雰囲気に仕上がります。
 
G白のウエディングドレスに金紗藤色刺繍打ち掛け
 ディズニーのお姫様を連想させる白のドレスはやはり外せない。憧れのドレスを着けいけれども、人とは違うものを着たい花嫁さんには、この豪華な紗の打ち掛けはいかがでしょうか。ヘッドドレスは金色のティアラでそろえると豪華な雰囲気に。まさに和と洋のクロスオーバーの組み合わせでしょう。

Fのドレス Gのドレス

H金襴緞子のスリムドレス
 金襴緞子地のドレス。先の鶴の地模様のドレスとほぼ同じスタイルですが、生地が違うと全く別のドレスになります。白無垢で神前結婚式のあと思い切ってこんなドレスでお色直しはいかがでしょう。
 
I黒地ビロード打掛着物
 なめらかな手触りと柔らかな光沢が魅力のビロードはヴェルヴェットともいわれます。日本へは16世紀に南蛮貿易によって渡来しました。珍しい物が好きな織田信長にも好まれたとか。こうした洋の素材を着物地に仕立てた花嫁衣装です。その質感と豪華な美しさは花嫁衣装にぴったりではありませんか。着物は打掛に負けない色感のものにしました。帯の結び目を前にすると花魁を連想します。神戸ではまだこのようなお色直しはないようですが、チャレンジしてみました。

Hのドレス Iのドレス

第2部 パネルディスカッション

【概要】
 1.大山知花 (神戸山手短期大学キャリア・コミュニケーション学科2年生)
 2.西龍治氏 (神戸ウエディング会議「和婚を考える会」)
 3.野本哲平氏(ホテルプラザ神戸シニアディレクター)
 4.田中栄治 (神戸山手大学現代社会学部環境文化学科准教授)
 コーディネーター:岩本一善(神戸山手短期大学キャリア・コミュニケーション学科准教授)

パネルディスカッションの様子@ パネルディスカッションの様子A

【パネルディスカッション】
 本学学生の大山知花は、「神戸で学ぶ」と題して、神戸ウエディングの勉強から、ひろい意味のホスピタリティを学んだ事を報告しました。
 大山は、在学中に多くのブライダルやホスピタリティの科目を履修しました。なかでも、現代GPで行った施設見学講義研修や神戸ウエディング会議の活動に参加したこと、自分たちの手で神戸発のブライダル商品(ブライダルシャワー)を提案したことなど、多くの実践的な学習ができたことを述べました。加えて、欧米のホスピタリティ(東京ディズニーランドに代表される)と日本のホスピタリティ(茶道に代表される)の違いを説明しました。
 
 西氏は、神戸ウエディング会議での活動を土台として、「和婚として『神戸祝言』の提案」というテーマで、平安時代の結婚―神前結婚の由来などを説明し、しきたりにこだわらない自由な発想、自由なスタイルの神戸流和婚を提案しました。
 例えば、参列者にグラス盃を配り、紅白のワインで和婚の祝杯にしたり、デザイン力を全面に押し出した結婚式/披露宴を神戸という街で提案していく活動を説明してくださいました。
 
 野本氏は、日本のホテルウエディングが世界にもまれな形式であることを解説しました。日本の地理的な問題からひもとき、和と洋が違和感なく取り入れられる過程を説明してくださいました。ホテルウエディングは日本独特のものです。とりわけ、多くの国々の料理を作る技術を持った料理人がホテルにはいて、異文化を上手に融合しています。例えば、ホテルでは、どんな宗教の人が来られても、それらの料理に対応していくことができるそうです(例えば、豚を他の素材に変更するなど)。
 そうした和と洋の融合が、ホテルウエディングやホテル自体を成立させているものだと言える、と述べられました。
 
 田中氏は、神戸が神奈川(浜)より9年遅れて開港したことが、神戸の居留地や雑居地区などの特徴を生んだこと、和式の建築と洋風建築が文字通り合体している(擬洋風建築)ことなど、街並みの説明から、神戸が「和と洋のクロスオーバー」する都市であることを建築学的な観点から報告されました。
 兵庫港(神戸港)は、1868年1月1日に開港しました。現在神戸の中心地である三宮は当時田畑が多く、兵庫区の方が栄えていました。1871年頃には、開港後商館などが立ち並ぶ外国人居留地が作られて行きました。現在ある「レトロビル」と呼ばれているものは、第二世代の異人館で、それ以前は北野に現在も残っているようなコロニアルスタイルでした。
 その後、「雑居地」と呼ばれる居留地周辺に外国人の居住を認め、それによって、和と洋の融合が始まりました。現在も残る旧ハンター邸、旧ビショップ邸(現東天閣)、シュウエケ邸(旧ハンセル邸)、旧ハッサム邸、旧シャープ邸(現萌黄の館)、風見鶏の館(旧トーマス邸)ができました。
 また、和と洋がひとつの建物の中に融合しているものが多々あります。異人館の設計は、ハンセルのような外国人建築家なのですが、作ったのは日本の大工さんだそうです。そうした経緯もあって、日本家屋に洋館を併設したり、煉瓦の塀を使った建物も非常に多く残っています。あるいは、洋館の屋根が日本瓦という建物があります。また、異人館に人が住んでいることも横浜と違って神戸の大きな特徴なのだそうです。
 神戸の「和と洋」を考える際、様々な文化をそのまま取り入れ、混在し、それが現在でもまだ残っていることが神戸の重要な特色であるという報告でした。

アンケート集計

【ドレスアンケート】
 お好きなドレスの組み合わせ番号に丸をつけてください。
@ABCDEFGHI
871131675111423
 

【シンポジウムアンケート】 
1.第1部の「和と洋」のウエディングドレスファッションショーはいかがでしたか。
・和の中に現代風なモダンなテイストが加わっており、若い世代にも好まれそうなデザインで神戸のおしゃれな街を連想させると思いました。どの衣装も素敵でした。
・斬新で神戸らしい提案、素晴らしかったです。特にモデルの表情が良かったです。
・和洋折衷で新しいウエディングドレスの提案ができたと思います。ただ、残念なのは、女性は新しくものを取り込もうとしますが、男性に対する衣裳の提案もできるともっと良かったのでは・・・
 
2.第2部のパネルディスカッションの内容はいかがでしたか。
・神戸の街の成り立ちや、歴史が興味深く楽しめた(神戸は異文化の集合体!)神戸で生まれ育ったのに知らないことが多くあり、あらためて神戸を見つめ直すことができるのではないかと思った。
・学生の大山さんがとてもしっかりした受け答えで驚きました。田中先生の建築の話は、すごく興味深く、もっといろんなお話も聞いてみたいと思いました。レトロビルや異人館は感じが良くて好きですが、そこまでじっくり見たことがなかったし、歴史も知らなかったので、勉強になりました。
・ウエディングと神戸の奥深さを実感しました。身近なところにも新しい発見があること改めてわかったことが良かったです。
 
3.これまでの本学現代GPの取組みについてのご感想をお願いします。
・神戸という地元に根付いた発想からいろんなことが考えられ、そして展開されてきて、とても素晴らしいものでした。私たちがごく当たり前に思っていたことに疑問をもって研究され、それを新しいブライダルの方向性へと導かれているところに感心しました。
・学生のうちから外に向けて、行動していくシステム構築は素晴らしいと思います。“お客様”という受け身ではなく、自主性を育む環境に身を置けた学生さんたちは多くの学びがあったと思います。
・これまでの取り組みについては、とてもご努力と地域との積極的な連携をされてきたことがわかりました。素晴らしいことだと思います。ただ、今後どう発展し、継続させていくのか、これからも楽しみです。