地域・大学インタラクション型の学習事業
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神戸山手短期大学
キャリア・コミュニケーション学科

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学外講師による講義(ブライダルマネージメント)全9回が終わりました。

日 時:

2009/04/27〜7/13(計9回) 月曜2限

会 場:

神戸山手短期大学1337教室

参加者:

ブライダルマネージメント履修者10名
および川ア佳代子教授

講 師:

田中清寛 (リーガロイヤルホテル大阪、宴会ブライダル担当支配人)
森重喜三雄(シーサイドホテル舞子ビラ神戸社長)
福永有利子(堂島ホテル副総支配人)

特別講義内容

【概略】 
  昨年度に引き続き、「ブライダルマネージメント」の講義では、学外講師を招いた特別講義を行いました。内容の多くの点は昨年度と重複するので、昨年度とは異なる点を中心記述していきます。全日程は、次のように行われました。
各回のテーマは以下のようになっています。

第1回

「ブライダルコーディネーターとしての心構え」(4/20)

第2回

「ブライダル総論」(4/27)

第3回

「婚礼に関わる商品について」(5/11)

第4回

「あなたが描く理想の結婚式とは」(5/25)
(以上4回が田中講師による特別講義)

第5回

「結婚式の変遷と現在の結婚式事情」(6/8)

第6回

「結婚式場/披露宴会場・付帯施設のハードとソフトのデザイン」(6/22)

第7回

「ゲスト・コンプレインについて」(6/29)
(以上3回と、第9回が森重講師による特別講義)

第8回

「ブライダルビジネスで働くこと」(7/6)
(第8回は、福永講師による特別講義)

第9回

「今求められるブライダルプランナー像」(7/13)

また、すでにHPにて報告済みのとおり、田中講師のご配慮により、6月13日にリーガロイヤルホテル大阪にて、施設見学ならびに講義をしていただきました。詳細は、「リーガロイヤルホテル大阪講義研修」のページをご覧ください。>>こちらをクリック。

第1回〜第4回(田中講師による講義)

【ブライダルコーディネーターとしての心構え】
 昨年度も、最初にお話いただいた、重要な内容です。「コーディネーターはどうあるべきか?」というこの仕事に関する理念をお話くださいました。コーディネーターの仕事は、お慶びの儀式をコーディネートする責任があり、お客様を喜ばせなければなりません(顧客満足)。しかし、そうした厳しい条件の一方で、「創造の喜び」を味わえる仕事でもあります。
 では、ブライダルコーディネーターは、どうあるべきか。これについて、田中氏は6つの大切なことがあると教えてくださいました。
 @挨拶・笑顔
 A清潔な身だしなみ、正しい姿勢
 B正しく、美しい言葉遣い
 C相手の目を見て笑顔で、挨拶
 Dお客様の顔と名前を覚える
 E最初から、“No”と言わない

【ブライダル総論】
 結婚式は、成約から挙式までに多くの要素が絡んでいます。大きく分けてそれらは、@チャペル、A格式・伝統、B料金、C雰囲気、Dスタッフの印象、E立地条件の6つです。ですが、一番重要なのは、成約スタッフの人柄であり、業界では65%はこれで決まる、と言われるほどです。
 接客の基本は、@身嗜み(清潔、正しい姿勢)、A笑顔、B挨拶(人間関係の第一歩)、C言葉づかい(正しい日本語)、D態度(目に入ることば)心配り気配りに集約されるそうです。
 その他、挙式スタイルには、チャペル式(カソリック、プロテスタント)、神式(白打ち掛け)、人前式(シビル式)、仏式などがあり、それぞれリーガロイヤルホテルのDVDを見ながら説明していただきました。

板書をして説明する田中氏 受講全員と記念撮影

【婚礼に関わる商品について】
 婚礼にかかわる商品は、非常に多く、次のものがあります。
 @料理(フレンチ、和食、和洋折衷、中華)Aウェディングケーキ(今はほとんどがフレッシュケーキ)、B装花、C美容着付け、D衣裳、E写真、F司会者、Gピアノ・エレクトーン、HBGM、I宿泊、J照明、Kビデオ、L印刷(1.招待状、2.メニュー、3.席順表、4.式次第)、M引出物、N引き菓子、Oペーパーバッグ(ホテルのバッグ)、P芳名帳、Q色紙、R招待状筆耕、席札筆耕、Sリトルメイト:ベビーシッター、そして、挙式料が加えられます。

【あなたが描く理想の結婚式とは】
 第4回はディスカッションでした。「あなたが描く理想の結婚式とは?」と「もし今あなたがお嫁に行くとすれば!」という2つのテーマに学生が自由に回答しました。学生たちからは、ドレスは白で、カラードレスにお色直しをし、主にチャペル式のウエディングがしたいという意見があがりました。サプライズは両親への感謝を表すためのものと考えている学生が多く、比較的小規模でアットホームな披露宴を望む声が多く見受けられました。その他にも、式は海外で、披露宴は日本に帰ってからというケースもありました。

第5回〜第7回、第9回(森重講師による講義)

【結婚式の変遷と現在の結婚式事情】
 古代、前近代の「嫁入り婚」をまとめ、江戸になると「仲人」、「見合い」、「嫁取り(一般大衆において)」が出現してきます。他方、近現代では、明治3年に縁組制限ができました。それによって婚姻年齢が定まったのです。男子17歳以上、女子15歳以上が結婚可能と定められました。大正時代には、結婚に先立つ「自由恋愛」が登場します。この頃、式は簡略化され、自宅婚から神前結婚に移行しました。また、現在ではおなじみの新婚旅行が一般化するのは大正です。
 昭和〜平成20年5月30日現在は、めまぐるしく状況が変わっていく時代です。戦後の民主化運動の影響もあってか、宗教色が薄れ、公民館や、直営結婚式場(互助会が直営)の利用が増えました。空前の豪華披露宴があったのもこの頃です。昭和35年12月に石原裕次郎氏の結婚式が東京日比谷の日活国際ホテルにて行われました。これは人々にホテル披露宴への憧れをかき立たせました。

【結婚式場/披露宴会場・付帯施設のハードとソフトのデザイン】
 少子化のため今後右肩下がり(緩やか)の減少傾向であり、また近年流行する邸宅ウエディングは、神戸エリアだけでも平成17年までの邸宅ウエディング施設だけで2400組(年)が収容できるほどの規模に成長してきました。それに加え、平成18、19年度にできた会場だけで1600組くらい収容できるなど勢力を伸ばしています。
 他方、ホテルも増えています。近年オープンしたものでは、ラスイート神戸ハーバーランド、トラスティ神戸、東急イン、オリエンタルホテル(旧オリエンタルホテルの跡地に)、リゾートウエディングに特化したラビマーナ神戸などがあげられます。
 結婚式の施設は大まかに分けただけでも、神社、教会、会館、専門式場、ホテル、レストラン、邸宅、海外挙式と多くの種類があります。
 それらは結婚式を挙げるにあたって、非常に重要な要素です。それら「ハード」には、立地、付帯施設、演出、雰囲気などが重要視されます。さらには、セレモニーと披露宴は一連の流れが必要であるし、4会場あれば一日8件の結婚式が可能なように、回転率も考慮して設計されなければなりません。さらに、そのなかでも、条件を考慮して、強みを伸ばしていかなければなりません。

Power Pointを用いて説明する森重氏 講義の様子

【ゲスト・コンプレインについて】
 コンプレインの内容には次のようなものがあります。名前(招待状、メニュー、もぎり、のし等の名前間違え、遺漏)、ぶっかけ(サービスのときこぼしたりすること)、美容・着付け(メイクリハーサルとの差異)など、さまざまなことが起こります。このようなことが起こらないようにするためには、どうしたらよいのでしょうか。
 可能なコンプレインの予防法は、「チェック体制の充実」「思い込みをなくす」「過剰な期待感を与えない」「ゲストの情報を共有する」などが考えられます。では、もしコンプレインが起こってしまったらどのように対処すべきなのでしょうか。
 実は、基本的なことの中にコンプレインへの対処法のポイントが隠されています。例えば、「コンプレインの内容をよく聞くこと」であったりとか、「他人の責任にしない」「都合の悪いことを隠さない」「解決策をゲストと話し合う」「解決を急がない」ことであったりします。すべては責任の所在を明確にさせていないことが原因です。ですので、進んで求められた説明責任を果たし、十分な回答を出すことが求められます。

【今求められるウェディングプランナー像】
 この回のキーワードは「サプライズ」と「OH project」です。その中心的な目標は、「どうしたらゲストが喜んでくれるか」を達成できることが「勝ち組」であり「価値組」、プランナーはゲストの求める情熱に負けてはいけない。応えなければならない、ということです。
 森重氏は、最後にこれからのプランナーに求められるスキルとこれからのブライダル産業についてお話くださいました。
森重氏によれば、これからは「人の時代」だそうです。ウエディングは変化しています。変化の激しい業種です。森重講師は、「現状維持は、実はものすごいスピードで世の中から遅れている」といいます。現代のウエディングは、ゲストがコンセプトを買う時代へと移行しつつあります。それならば、企業はコンセプトを提案していかなければなりません。「コンセプト提案型ウエディング」の時代は、ただコンセプトをを作れば良いのではありません。それよりもむしろ、@ゲストのこだわりを引き出し、Aゲストのコンセプトを見つけて提案しなければなりません。
 そのためには、コミュニケーションスキルは必須です。それゆえに、「人の時代」であると言えます。

第8回(福永講師による講義)

【ブライダルビジネスで働くこと】
 福永氏は短大卒業後大手企業に勤めた後、出産を経験されている。その間もキャリア職を目指し、従来から興味のあったブライダルビジネスに従事することを決めたという。
 ゲストハウス系の施設に勤務し、激務をこなしていたなか、請われて現在のホテルに転職することになった。ブライダルコーディネーターとして活躍され、現在は副総支配人として全体を統括する立場にまでキャリアアップしている。
 福永氏は、自身の経歴を説明する傍ら、ブライダルビジネスの楽しさと厳しさを学生に語られた。ブライダル関連の業種は、女性に人気の職業であり、憧れを持ってこの職につくものが多いにもかかわらず、離職率が非常に高い現場です。その理由は、不規則な就労時間、土日、祝日は仕事であることなどがあげられます。休日でも、クライアントの要請があれば、出勤しなければならないことも多々あります。
とはいえ、ブライダルコーディネーターを転職だと感じている福永氏にとって、これほど慶びの大きな仕事もないといえます。挙式の申込みから、挙式当日まで、クライアントとの密なコミュニケーションを通して、人間的にも大きなかかわりができること。その人々の幸せの演出に貢献できる喜びを感じるということでした。
 学生からは家庭と仕事との両立をどうしてきたのか、という質問があげられました。家族の理解によるところが大きいわけですが、幼い頃子どもにはある程度我慢を強いた側面も多いとのこと。成長したお子さんたちには福永氏の仕事に大きな理解を持ってくれているとのことでした。
 短大出身ということもあって、親近感を抱いた学生たちは、福永氏のキャリアアップはよき参考モデルとなったようです。感銘を受けた学生も少なくありません。
 福永氏が学生に強調したのは、仕事上最も大切なことはコミュニケーションであるということでした。クライアントはもちろん、職場の同僚、取引先の人々とのコミュニケーションの円滑さが仕事を支えるという意味です。
 颯爽とした福永氏の振る舞いから、学生たちは働く女性の魅力を大いに感じたようでした。

講義の様子 受講風景