地域・大学インタラクション型の学習事業
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神戸山手短期大学
キャリア・コミュニケーション学科

〒650-0006
神戸市中央区諏訪山町3-1
TEL:078-371-6184
FAX:078-371-4972


「若者と結婚」―日韓結婚意識調査報告シンポジウム

「魅力調査」(マリンポートツーリズム)部門

日 時:

平成21年9月24日(木)14:00〜16:30

場 所:

神戸ポートピアホテル地下1階布引・生田の間

主 催:

神戸山手短期大学 キャリア・コミュニケーション学科

参加者:

74名(企業・官公庁・大学関係者、教員、学生など)

シンポジウム内容

 当日は、多くの参加者でにぎわい、基調講演の興味深いお話およびパネルディスカッションによる多様な意見交換によって、シンポジウムは大盛況のうちに無事終了することができました。皆さまのご参加ありがとうございました。

【開催趣旨】
 本シンポジウムは平成19年度文科省「現代GP」プログラムに採択されたキャリア・コミュニケーション学科の「地域―大学インタラクション型学習事業」の一環として開催されました。この学習事業は本学科の特徴である「理論・実践一体型の教育プログラム」をより明確に体現したものです。地域活性化への貢献をとおして、学生のための実践的教育に取り組む際、二つのアプローチを取り入れました。一つはミナト町神戸の魅力を発見する「魅力調査」(マリンポートツーリズム)とブライダルによる神戸の「魅力創出」(アトラクティブブライダル)の取組です。
 本シンポジウムはその「魅力創出」(アトラクティブブライダル)部門の発表として行われました。学生が学生目線のブライダル事業を企画・提案するさいの理論的根拠および基礎情報の提供として、「日韓結婚意識調査」を平成20年度後期に実施し、関西エリアおよび韓国の大学生、高校生対象に結婚意識をアンケート方式により調査しました。その集計結果の報告と検討をもとに、今後の本学習事業のさらなる展望を図ることを目的に今回のシンポジウムを開催しました。

【シンポジウムの概要】 
 シンポジウムは2部に分かれ、1部では韓国社会の結婚に関する状況の基調講演、2部では4人の登壇者と基調講演者による発表とディスカッションが行われました。2部においては、初めに、日韓の結婚意識アンケート調査結果に関する概要の報告があり、その報告と登壇者の発表や基調講演に基づいて、後半は次のような発展的な視野からパネルディスカッションを行いました。
 
(1)韓国と日本の若者の結婚観を探ることにより、いかに日本や韓国の若者の要求に見合ったブライダルスタイル、ロケーション、サービスを提案できるか。また日韓の結婚観を比較することにより、将来ブライダルをキーワードに両国の相互理解と交流をすすめることができるかどうか。
 
(2)両国とも、少子化、非婚、晩婚化、結婚式などをしない傾向がみられる。その中で、ヨーロッパでは特にフランスを代表として、結婚制度を持たない同居スタイルが徐々に増えているが、今後東アジア儒教圏の日本や韓国でもそうしたスタイルが増えていくかどうか。それによりブライダル産業の今後をどう考えるか。

土井講師 武田講師

【当日のプログラムと内容】 
 当日の日程(プログラム)は次の通りです。講演者のご協力をいただき、挨拶、講演内容の概要およびパワーポイント発表原稿、さらにパネルディスカッションの要約テキストなどをPDFにてご覧いただけます。
■ 14:00  開 会
 司会挨拶 川崎佳代子(キャリア・コミュニケーション学科教授)
 開会挨拶 神戸山手学園理事長 芦尾長司
 
<第1部>
■14:10 基調講演(40分間)
 神戸大学大学院国際文化学研究科教授 岡田浩樹氏
 テーマ: シングルと「ファミリー」の間に―現代韓国社会における『結婚市場』の変容と結婚・家族観の揺らぎ―(【パワーポイントPDF】)
 (講演内容の概略)
 岡田氏は韓国の伝統的な結婚観から若者において少しずつ結婚観・家族観に変化が見られることを指摘。従来の「血」「家族」などを中心とする結婚と、恋愛至上主義ともいうべき結婚観の二極化が見られることを指摘した。とはいえ、個人が全く迷いもなく二極化しているわけではなく、微妙な意識の揺れなどがあることを指摘した。
 
<第2部> 休憩(10分)
■15:00 パネルディスカッション
1.登壇者4名からの報告
キャリア・コミュニケーション学科講師 土井茂桂子
 @「日韓結婚意識調査の結果報告」【パワーポイントPDF】
 【概要PDF】
 アンケート調査結果の概略を報告。詳細な集計分析は「報告書」として配布してあるので、興味深い箇所を紹介しつつ全体をまとめる形で報告した。
 
神戸山手短期大学非常勤講師      武田 祐佳
 A「高学歴化は若者になにをもたらすのか―韓国における若者の就業、そして結婚―」(【パワーポイントPDF】)
 【概要PDF】
 日本、韓国の男女における未婚率の推移(1980-2005)や、初婚年齢の推移、結婚に対する考え方など様々な統計を使って、高学歴化などによる晩婚化、未婚化を映し出し、さらに日韓の若者の結婚意欲、結婚規範の相違などを指摘した。
 
元リーガロイヤル宴会ブライダル担当支配人   田中 清寛氏
 B「日本における韓国式結婚式・披露宴について」(【概要PDF】)
 田中氏は2009年6月13日にリーガロイヤルホテルにおいてなされた、在日韓国のカップルの結婚式、披露宴について話してくれた。
 韓国の伝統を守り、社会へのカップルの紹介など、異国にあって韓国式の挙式を守りつつ、日本の披露宴スタイルも取り入れている点は興味深い。
 
大阪学院大学ホスピタリティインダストリー研究所教授  森重喜三雄氏
 C「日本のブライダルの現状」(【パワーポイントPDF】)
 【概要PDF】
 数々の統計を援用し、日本におけるブライダルの現状と推移を解説してくれた。
 
2.登壇者5名によるディスカッション【概要PDF】
 最初に司会者が2点問題提起し、登壇者でディスカッションをおこなった。
 @ヨーロッパ、特にフランスで隆盛になってきた、「連帯市民協約」による共同生活するカップルが結婚の半数を超えると言われるが、日本、韓国において、将来そうしたスタイルが導入されるかどうか。
 岡田教授が韓国のハウスウェディングを例に挙げ、韓国では社会にカップルを承認させるために結婚式を行う考えが依然強く、将来もフランススタイルが流行るとは思えない。日本においてはヨーロッパと韓国の中間くらいと考えられる。ただし、法制度の整備が前提となると答えた。
 
 A 韓国と日本のブライダル交流は可能か
 森重氏によると、十分可能である。岡田教授によると、韓国は結婚においても親孝行を重視するので、両親を観光がてら日本の温泉などに連れてくることがあり得るので、観光と披露パーティなどを組み合わせることが有効であると述べた。土井講師からは、フォトロケーションとして活用してもらうのはどうかというアイデアがあった。
 さらに、会場からの意見として、神戸は観光とブライダル都市としての魅力を出し、地域活性化を図ることは可能であるし、期待したいとありました(NPO法人神戸グランドアンカー理事長の言)。最後のまとめとして、土井講師より、アンケート調査の報告を元にして、学生に今後神戸のブライダルビジネス振興への提案をさせることにより、教育的な成果を現していきたいとの締め括りの言葉がありました。

田中講師 森重講師

【成果報告】 
1.若者の結婚規範意識、結婚意欲、結婚希望スタイルに対する理解の深化
 このフォーラムを実施したことによる最大の成果は、現代における日本と韓国の若者の結婚に関する規範意識、希望、スタイルなどについて、国際的、歴史的、社会的、文化的視点から理解を深めることができたという点にあります。本取り組みの主要な目的である国際的な調査を通して学生の社会や異文化に対する興味関心を喚起するという教育的意義は達成されたと考えます。さらに、この理解によって、日本や韓国の若者の希望に沿ったより魅力的な結婚式スタイルを学生が発案し、提供することが可能となり、教育効果は具体的な成果となって現れることでしょう。
 
2.地域活性化への貢献
 本調査結果が地元ブライダル事業の振興に役立ち、地域活性化に貢献するという目的にも貢献できたと考えます。パネルディスカッションでも議論されたように、観光も巻き込んで、神戸でのウエディングに付加価値をつけ、さらに魅力的に発展させることがこれから求められるということが明示されました。将来、ブライダルをキーワードに日韓両国の相互理解と交流やブライダル関連の観光客誘致を図るための具体的な提言も多くなされました。地元企業や自治体、NPO、市民などが一体となって、日本や韓国や諸外国の人々に、観光とともに結婚式関連のイベントも開いてもらえるような魅力的なブライダル国際観光都市という未来像を描き出すことができたと思います。
 会場で配布したアンケートの集計結果はPDFファイルに収めてあります>>アンケート集計結果